GeNuine連続講座「交差するジェンダーとせんそう」を開催しました!
- Ge Nu ine
- 10 hours ago
- 5 min read
戦後80年の2025年、GeNuineは、8月から12月にかけて、連続講座「交差するジェンダーとせんそう」を開催し、対面、オンライン併せて180名の方にご参加いただきました。
私たちはこれまで、ジェンダーと核兵器を交差させる試みを行ってきました。戦後80年となる今年度は、核兵器を出発点としながらも視野を少し広げ、「せんそう」について学ぶ連続講座を開講しました。参加者の方々が想像する「せんそう」にジェンダーの視点を加えることで、今までとは異なる「せんそう」が見えてくることのではないか。そうした学びの場を共有することを目指し、「せんそう」の様々な側面に詳しい専門家の皆様をお呼びしてお話しいただきました。
第1回「アメリカの核被害とジェンダー」では、米デュポール大学教授の宮本ゆき先生をお迎えし、8月3日に東京都内で実施しました。

はじめにアメリカの核を巡る背景や当時のジェンダー観について共有してくださり、核産業が差別の問題の上にあることをマーシャル諸島などの例を挙げながらご説明いただきました。さらに逆差別の実態やアメリカにおける軍を巡る問題にも言及され、様々な抑圧の層を解きほぐし新しい語りの重要性について強調されました。
第2回「ジェンダーの視点でみる語られない『原爆』」では、広島市立大学准教授の四條知恵先生をお迎えし、9月6日に広島市内で実施しました。

「原爆被害の中で、語られてこなかったものは何か」という問いかけから始まり、当時広島に存在した西遊郭について取り上げられました。西遊郭は爆心地からもほど近い位置にあったのにもかかわらず、その記述が極端に少なく、特に娼妓たちの語りは残っていないということが示されました。そして、なぜ語られなかったのかについて考察されました。その上で、これまで広島、長崎を巡る語りの多くは、男性たちによって形作られてきたことに言及されました。
第3回「沖縄における植民地主義とジェンダー」では、名桜大学准教授の玉城福子先生にお越しいただき、10月12日に那覇市内で実施しました。

講義では、沖縄における日本軍「慰安婦」の背景には植民地主義的な意識やイデオロギーがあったことが指摘されました。また、ジェンダーやセクシュアリティの視点から歴史を再検討することは、どのような戦争の記憶を現在や未来で語っていくのか、ということと密接に関わっているということをお話くださいました。
第4回「被爆証言をジェンダーから読む」では、長崎大学核兵器廃絶研究センター客員研究員の山口響先生を講師にお招きし、11月9日に長崎市内で実施しました。

はじめに被爆者を一つの塊としてではなく、様々な状況や立場によって分けて考える必要性を指摘されました。そして実際の証言を資料としながら、被爆後の生活において女性たちがどのような影響を受けてきたのかを丁寧に見ていきました。また、長めに取られた質疑応答の時間では、参加者から様々な角度での質問が寄せられました。
第5回「安全保障政策におけるジェンダー主流化の功罪」では、お茶の水女子大学ジェンダー研究所特任リサーチフェローの本山央子先生にお越しいただき、12月7日に東京都内で実施しました。

国連安保理決議1325号、通称「女性・平和・安全保障(WPS)」決議が安全保障政策に与えた影響について言及しながら、これまで語られてきた暴力=男性/平和=女性という二項対立かつ補完的なイメージによって見えなくされてきたものや、これらのイメージのはたらきについて述べられました。
全体を通して、ご参加いただいた皆様からは「今の社会で共有されている平和、戦争、核被害というものがどれほど一面的なものであるか考える良い機会となりました」などのご感想を頂戴しました。私たちメンバーも含め、「せんそう」をあらゆる切り口で考える機会となりました。
ご登壇いただいた講師の先生方、会場設備等でご協力いただいた皆様、そしてご参加くださった皆様、ありがとうございました。
連続講座に関する記事の報道・掲載は以下の通りです。
〈朝日新聞〉
「ジェンダーの視点で考える戦争」、『朝日新聞』、2025年9月15日掲載(遊郭女性の被爆記録、少ないわけは? ジェンダーの視点で考える戦争 [広島県]:朝日新聞)。
「女性被爆者 厳しい境遇」、『朝日新聞』、2025年11月14日掲載。
〈毎日新聞〉
女性被爆者、心身両面で厳しい境遇 結婚、経済…心に重し」『毎日新聞』2025年11月16日(https://mainichi.jp/articles/20251114/k00/00m/040/064000c)
〈中国新聞〉
伊藤友一、2025、「[被爆80年] ジェンダー視点で被害考察 遊郭の女性例に講演 広島市立大の四條准教授」、『中国新聞』、2025年9月7日掲載([被爆80年] ジェンダー視点で被害考察 遊郭の女性例に講演 広島市立大の四條准教授 | 中国新聞ヒロシマ平和メディアセンター)。
〈NHK〉
コネクト、「広島・長崎発!みんなの会議~今こそ”仲間”が必要だ!~」、NHK、2025年12月19日放送(広島・長崎発!みんなの会議〜今こそ“仲間”が必要だ!〜 | コネクト | NHK)。
お好みワイドひろしま、「”核廃絶”広げる新たなアプローチ「ジェンダー×核兵器」とは」、NHK、2026年1月30日放送(“核廃絶”広げる新たなアプローチ「ジェンダー×核兵器」とは | NHK)。
(執筆:GeNuineメンバー 松永優佳)




Comments